機材

あの事件から毎日自分の機材を触っていたけど、自分にとって楽器とは何だろうとふと思う。
もともと音楽を聞くのは好きだったけど、プレイしたい欲求が出てきたのはここ5年ぐらいのことだ。
きっかけは間違いなく鷲崎さん。あんなに楽しそうに自分の好きな歌を歌う姿を見なければ僕は一生リスナーで終わってただろう。
最初に安いアコギを買って練習を始めて、コードというものの複雑さに挫折して何となく低音弦を弾いてたら気持ち良くなってしまったのがベースとの出会いだけど、
こんないい加減なスタートにしては僕の気持ちは始めてから一度もブレない。これはかなり珍しい事だ。
今まで聞いてきた色んな曲を、プレイするという形でもう一度辿り直せるのが凄く楽しくて嬉しいからだろうか。
聞くだけじゃ分からなかった事が、ベースを使って曲の後を追うようになって色々見えるようになってきた。
もう味が無いと思いながら噛んでたガムからまた味が湧いてきたような感覚だ。
その味付の元になったのは間違いなくベース。楽器は調味料みたいなものか。
無くても別段困りはしないけどあるともっと充実できる。そうだなあ正に調味料だ。
できればこの調味料をもっともっと吸収して、無いと死んでしまうぐらいの栄養素にしてしまいたい。