ムーヴィー

自発的に外出をしないことで有名なこの俺様にしては珍しく、ここ1週間ぐらいの間に映画を2本も見に行きました。

SMILE 人が人を愛する旅

 昨年行われたスカパラのヨーロッパツアーの模様を追ったロードムービー
やたら過酷な海外ツアーをすることで有名なスカパラですが、それをノンフィクションで収めたこの映画も決して全ての人に優しい内容ではない物でした。
 ステージ上でのアクシデントとはいえ、演奏中に接触したカメラマンであり監督である牧野さんを蹴り倒してしまい反省し落ち込んでいる北原さん。
リハーサルを見学に来ていた知能障害の人に接する冷牟田さん。
加藤さんの希望的な一言をバッサリと切り捨てる大森さん。
どういう原因と事情があるかは分からないけどナーバスになるGAMOさん。
 東京スカパラダイスオーケストラというバンドの生の人間の部分を切り出した映像の数々は、多少ショッキングでありそれだけ魅力的でもありました。
同じく映像という形でスカパラのミュージシャンとしての側面を切り出した「SKA EVANGELISTS ON THE RUN」や、
2002年のヨーロッパツアーを同じく牧野監督が追跡した「CATCH THE RAINBOW」と見比べると、まだまだメンバーが停滞せずにひたすら前進してる姿を確認することができると思います。
 ドキュメンタリーとして見れば、数年前の深夜にフジで放送された「オーケストラ・リハーサル」という番組が、過去のメンバーが脱退していった理由や2人のメンバーの死にまで言及しているらしく(僕は見たことがない)、それに迫ることは出来ないだろうとは思いますが、
そこまでダークな領域に踏み込まない、スカパラの人を惹き付ける魅力の一部を垣間見るという意味では、この映画の存在はとても大きいと思います。
 谷中さんの言葉にイギリスのスキンヘッズが歓声を上げる様や、ベトナムでの公演で感極まった観客達がステージ上に大挙して踊り狂う姿は、バンドとは何の関わりもない、ただ同じ日本人というだけの僕が見ていて誇らしく思う程にドラマチックでした。
 約20年というバンドとしては非常に長い歴史の間に、数え切れないほどの苦難や挑戦を経験し、それを完膚なきまでに乗り越え続けた先の、東京スカパラダイスオーケストラの「現在」を見るには絶好の映画だと感じました。
ベストアルバムを聴いて、「このバンドちょっといいじゃん」と思ってる人に是非見てもらいたい映画です。

キディグレイドⅠ IGNITION

 2002年に放送された24話のTVシリーズを3本の映画に編集した第一弾。
ストーリー自体は特に変更が加えられたわけではなく、この後放送されるであろう「2」に向けた純粋なおさらい的な内容となっていました。
僕個人の感想になってしまうんですが、「ピントを合わせているのは作品の世界ではなく主役の2人」という印象を受けました。
 まだ三部作の第一弾なので全体の結論を出すことは出来ませんが、初っ端から本当に主題の部分をクローズアップしているために、その外郭のオイシイ部分、カニで言うところの細い足に詰まってる美味しいお肉の部分が捨てられてしまっている印象を受けました。
 この作品、メインとなる部分も非常に面白いんですが、それに付随する色んな寄り道的な要素がメインに負けないぐらい美味しいと思うんで、これ見て初めてキディグレイド知ったよって方は是非TVシリーズをまとめて見て欲しく思います。
 あとこの映画、単館での短期間上映なのを利用して贅沢にも毎回舞台挨拶があるんですが、今日僕が見に行った回は永田亮子さんと井上喜久子さんが来ていました。司会はGOTT受付嬢のあの2人!
初めて生で永田亮子さんを見れてメチャクチャ感動しました。ええそうですよ、大好きですよ僕は声優が。
着物で来るんだもん。着物。やべえよドッキンばぐばぐだったよ。
永田さんの声聞きたさにヤングスーパーマンを毎回見ていた身としては今日全てが報われた気分でした。
良かったなあ。生きてて良かった。
今ならシド・ビシャスガンジーの教えを説けそうな気すらするよ。